孤高の食材

圧力鍋を活用すべく、次のステップへと踏み込むことにした。

鶏ムネ肉という単一の食材を調理できるようになったなら、次は複数の食材を組み合わせた料理にチャレンジだ。
そこで、行きつけのカルフールで食材を探すことにした。

まず、偶然見つけたのがS&Bの「おでんの素」である。
ダシがしみ込むまで時間をかけて煮なければならない「おでん」こそ、圧力鍋の比類なき浸透力を活かすに最適なメニューではないか。
そこで、おでんに使う具材をいろいろ探してみたが、よく見ると野菜関係は思っていたより結構高い。
酸辣湯を作っていた頃はキムチしめじばかり買っていたので、野菜の価格帯なんぞ意識したこともなかったが、質量比でいえば安い肉より野菜の方が断然高い。

あと、よく考えたら皮をむくのが面倒な野菜はパスだ。
ウチの料理は「早い・多い・安い」が基本なので、下ごしらえに手間をかけるつもりなど毛頭ない。
おでんに使う野菜でそういう条件に合うのは...まぁ、大根くらいだろうか。
というわけで、とりあえずハーフサイズの大根を買った。

そういえば、ブリ大根ていう料理があったな、確か。
ということは、ブリと大根は相性がいいわけだ。
ということは、おでんの具にブリを使っても許されるわけだ。
よし、ブリでいこう。ブリはどこだ。
魚屋のおっさんが屁をこいた、ブリ。
...置いてねぇな、ちっ。

仕方ないので、代わりにタラの切り身を買った。
形が似ていたのと、骨がなさそうだったというのが選択の理由だ。
まぁ、白身でクセのない魚なら大丈夫だろうよ、たぶん。

080222.jpg

というわけで、「タラ大根おでん風」の出来上がりである。
タラと大根だけでは寂しいので、冷凍してあったイワシのつくねしめじも巻き込んでみた。
まさかこいつらも、自分がおでんに放り込まれるとは思ってもみなかったろう。

ブリ大根の圧力鍋レシピでは加圧7分となっていたが、今回はあえてプラス5分で12分の加圧をかけてみた。
写真の大根を見ると、中央のあたりがポッコリへこんでいるのがわかるだろうか。
これは大根がダシを吸いまくって柔らかくなっているからで、普通の鍋で10分煮ただけでは到底できる芸当ではない。

もちろん、味の方も絶品である。
ていうか、おでんの素にみりんと若干の醤油を混ぜただけでマズくできるはずがない。
タラもクセがなく、周囲の具とうまくなじんで美味しくいただけた。


例によって、イワシのつくねだけは孤立しまくっていたが。


プレッシャーをかけろ

地デジの番組表を見ていると、やけにショッピング関係の番組が多い。

REGZAが届いた頃、そういったショッピングチャンネルを見ていたら、松居一代圧力鍋の宣伝をしていた。
見ていると、カレーを作るのに皮をむいたジャガイモを丸ごと鍋に放り込んでいる。
おいおい、いくら手抜きといっても限度があるだろう。
そんなカレーを出された子供たちは、親の愛に飢えて道を踏み外してしまうぞ。
などと憂いていると、圧力鍋でわずか10分ほど煮ただけのジャガイモは、箸で簡単に崩れるほどホロホロになっていた。

これを見て以来、圧力鍋がどうにも気になって仕方ない。
ボクはよくスーパーで安い鶏ムネ肉を買うのだが、これを手早く柔らかく煮るのに、もしかして圧力鍋はうってつけではないのか。
でも、TVショッピングで売ってる品って、大概うさんくさいし...

そんな圧力鍋が、近所のイトーヨーカドーで安かったので買った。

080218.jpg ← 毎日使いの圧力鍋

2Lというと圧力鍋でもかなり小型の部類だが、これ以上デカいとキッチンのシンクに入りきらず洗えないので、サイズ的にはちょうどいい。
そこで、さっそくこの圧力鍋に鶏ムネ肉をブチ込み、ひたひたに水を入れ、醤油、塩で適当に味付けし、より柔らかくするため酢もブチ込んで火にかけてみた。

中身が沸騰すると、まず安全ピンが蒸気を噴き出しながらカチンと上がる。
それが収まると、今度はフタの中央にある圧力調節の重りが、四方に蒸気を撒き散らしながらシュシュシュと回転を始める。
かなり勢いよく回るので最初はビビるが、ここからいわゆる「加圧」が始まるので、火を超弱火にしてじっくり待つ。

このときの鍋の中は超高圧になっているわけだが、この状態だと沸点が上がる。
通常の鍋では温度が100℃になると沸騰してそれ以上温度が上がらなくなるが、圧力鍋だとこの上限が120℃くらいまでオッケーになるわけだ。
1.2倍の熱量で食材を加圧することで、短時間で食材を調理できる、と。

そんなわけで、鶏ムネ肉をとりあえず10分ほど加圧してみた。
その後、火を止めて10分くらい蒸らしを行い、蒸気を抜いてから鍋のフタをおそるおそる開けてみると...


ぼーん!!


ギャ〜!


...とはならず、そこには十分にダシを吸ってプリップリに煮込まれた鶏ムネ肉が。

0802182.jpg

試しに箸を刺してみると、スルリと入る。
そのまま箸を左右に広げると、何の抵抗もなく、それこそチーズのように裂ける。
くはあっ!もう辛抱たまらん!ハフハフ!

何でも試してみるもんですな。


元祖ジャンクフード

駅前のダイソーで「前田のクラッカー」なるお菓子を見つけた。

071212.jpg

こ、これはもしかして、あの伝説の...

0712122.jpg

あたり前田のクラッカーではないかッ!

『てなもんや三度笠』をリアルタイムで見ておらず、藤田まことのこのギャグも知らない年代のボクだが、それでも「あたり前田のクラッカー」が幼い頃に流行っていたのは子供心に覚えている。
確か「あたり前田のセサミハイチュウ」だかの亜流もあったような。

その「前田のクラッカー」だが、食したことはこれが一度もなかった。
だって近所に売ってなかったんですもの。
しかし今、その伝説のお菓子がまさにこの手にある。
逸る気持ちを抑えられず、写真を撮るや否や豪快に貪り食ってみた。

うむ、リッツだ。

この味を一言で表せば、一口サイズにして味を薄くしたリッツである。
40年以上も前のクラッカーとはこんな味をしていたのか。

製造元の前田製菓はどうも大阪府堺市にある会社だとか。
ボクがこれまで前田のクラッカーに出会えなかったのは、単に全国的に置いてある店が少ないというだけで、別に関東限定というわけでもないらしい。
まぁ、なんにせよあの前田のクラッカーを味わえるのはいい経験だ。
やや油っぽいものの、素朴な味わいが手を休ませない。
うむ、うまい。ムシャムシャ。クセになるかも。ムシャムシャ。

久しぶりに吹き出物が出たので二度と買いませんけど。


捨てる神あれば拾う神あり

たこ焼きを作ってみた。

071206.jpg

大阪を発つ際に餞別でもらったたこ焼き器と、スーパーで買ったたこ焼き粉を使っただけのお手軽なたこ焼きだが、見ての通り、意外と無難に仕上がった。
まぁ、かねてから地元のたこ焼きパーティーで地味に経験値を稼いでいるので、少なからず自信はあったわけだが。

ところで、さっきからたこ焼きたこ焼きと連呼してはいるが、実はこの中にはタコなど一片たりとも入ってはいない。
魚が安いここ千葉だが、なぜかタコは異常に高いのだ。
タコの足一切れが400円ほどもするので、庶民の食べ物であるはずのたこ焼きも、これでは安い肉を焼いて食った方が全然マシに思えてしまう。

仕方がないので、スーパーでタコの代わりになりそうなコストパフォーマンスの高い魚類はないかと探してみたところ、イワシのすり身が100円ほどで売っているのを見つけた。
ふむ...これをスプーンでチョイと取ってたこ焼き生地に落とせば、なかなかいい感じの焼き物が出来上がりそうな予感がする。

というわけで、上記の写真はたこ焼きではなくイワシ焼きなのである。
見た目にはまったくわからないだろうが、これを撮っている最中も、部屋中に独特のくっさいイワシ臭が漂っていた。

このイワシ焼き、味的にはまったく問題なくパクパクいけたのだが、生地の量が多すぎたのがむしろ問題だった。
たこ焼き粉一袋の半分(300g)を使ってたこ焼き60個分と記載してあったのだが、1回で18個作れるこのたこ焼き器では、食べるスピードより焼き上がるスピードの方が圧倒的に速い。
ゆえに、たこ焼きをひっくり返そうとする頃には片面が完全に焼き上がって生地が固まっているため、いざひっくり返しても下側に生地が垂れず、イワシが直接鉄板で焼かれて焦げるという体たらく。
結局、生地もイワシも3分の1ほどを残してついに腹が限界を迎えてしまった。

とはいえ、これらを処分してしまうのもなんだかもったいない。
そこで、生地とイワシを混ぜ合わせてフライパンで焼いて、お好み焼きのようにしてみようとチャレンジしてみたが、技術不足のせいかうまく丸型には焼けず、結果としてオムレツのような微妙な物体が産声を上げた。

0712062.jpg ← 自分もたこ焼きになりたかったッス


明日の夕食として、短い生をまっとうしていただきたい。


海の幸あれ

ここ千葉県は魚が安くて美味い。

銚子、勝浦、館山、船橋といった漁業の盛んな地域が多いせいか、近くのスーパーも他県に比べて鮮魚コーナーの面積が多めに取ってある印象を受ける。
魚の種類も非常に多岐にわたっており、生のスルメイカ(未加工)が一杯100円で投げ売りされていたりもする。

変り種としては、アンコウの肝なんてのも見つけた。

071130.jpg ← 30%OFFですヨ!

あん肝といえば別名「海のフォアグラ」と呼ばれるほど濃厚な味わいで有名だが、これが86円の30%OFF、60円ほどでこうして売っているのだ。
ボクはまだあん肝を調理したことはないが、蒸してポン酢でいただいたり、鍋に入れたりと汎用性は高いそうなので、とりあえず買って冷凍しておくことにした。
酸辣湯にブチ込むのはさすがにもったいないか...?

あと、ワカサギが安かったのでこれも買ってきた。

0711302.jpg ← 半額ですヨ!

10cm以上ある立派なワカサギが20尾ほど入って、半額で150円ほど。
ワカサギの天ぷらは以前ボクも経験したが、その美味さもさることながら、下ごしらえが不要なお手軽さがものぐさなボクにはピッタリなのだ。
前のワカサギよりも一回り大きいので、さぞかしボリュームの方も期待できそうだが、天ぷらにすると大幅にボリュームダウンすることも知っていたので、思い切って2パック買ってきた。
もちろん冷凍などせず、一気に調理して平らげる所存である。

一パック分のワカサギを濃い目の塩水で洗ってウロコを取り、小さめの鍋に油を張ったらそれらを一気に放り込む。
ジュワーとものすごい泡が一気に出て中がまったく見えないが、これが収まる頃にはカラッと狐色のワカサギが水揚げ、もとい油揚げされるのだろう、フフフ。

0711303.jpg

...なんてことしたら絶対失敗するからやめたほうがいいよ。

オーマイガッ!
小さい鍋にまとめてワカサギを放り込んだら互いにくっつきあってしまい、しかも泡で中身が見えないのに箸でかき混ぜたらワカサギの身がグシャグシャになってしまったようで、出来上がったそれは、もはやワカサギというより魚類としての原型すらとどめてはいなかった。
前のワカサギは小さかったから同じ鍋でも10匹くらいまとめて揚げられたが、このサイズだと1回に3匹くらいが限界らしい。
もっとも、時間的にはほぼ一瞬でカラッと揚がるのでトータル時間では大して変わらないが。

0711304.jpg ← ちゃんと揚げるとこうなります


いや〜、いいとこですな、千葉って。


ソイスターソース

スーパーでかき醤油なるものを見つけた。

071006.jpg

秋という季節柄やオレンジ系のパッケージを見て、一瞬あっちの「柿」を想像してしまったが、どうやら「牡蠣」の方らしい。
今ウチでは100円ショップで買ったごく普通の醤油を使っているが、アレに牡蠣の風味が加わるということか。
オイスターソースの甘辛い独特のコクについては、日々の酸辣湯ですでに十分すぎるほど知っている。
ていうか、今やオイスターソースなしではウチの酸辣湯は成り立たない。

それが醤油にブレンドされるとどうなるか。
...うまくないはずがない。
想像するだけでヨダレが出そうだ。表現が古くて申し訳ないが。

醤油の味をプレーンに体験するなら、やはり冷奴が一番だ。
そこで、いつも酸辣湯に使う安い木綿豆腐ではなく、「豆魂」(まめだましい)とかいうジョニーのパチモンみたいな豆腐とともに「かき醤油」を買ってみた。

0710062.jpg ← 豆魂 (但馬屋)

(゚Д゚)ウマー

どうやらこの「かき醤油」、単に醤油に牡蠣エキスを入れただけではなく、鰹節や昆布やみりんといった出汁も入っているようで、醤油というよりむしろ濃厚な「つゆ」に近い。
「豆魂」自体はこれまでも何度か食しているが、「かき醤油」では明らかに味が違う。
ヤバい、これはヤバいわ。

ところで、最近ボクの休日のランチは「塩焼きそば」である。
1玉33円のそば玉を1.5人前、フライパンで卵と適当に焼いて、スライスにんにくと塩コショウと輪切り唐辛子でペペロンチーノっぽくするのがオレ流なのだが、今回、あえてここに「かき醤油」を加えて醤油焼きそばにしてみることを思いついた。
これはもう、食べる前から名作の予感がギュンギュンしますよ。
ただ、醤油と唐辛子はさすがに合わなさそうなので今回は唐辛子のみ除いた。


(゚Д゚)ウンマー


ちなみに、醤油は火を止めてから絡めるといいよ。 (←これが言いたかった)


ノリとアン子の物語

昨日買ったお土産「江戸のり餅」が、意外にも社内で大ヒットしている。

070927.jpg

箱を開けてまずビックリするのが、とんでもなく強烈な海苔の匂いである。
見た目が草餅っぽいからといって侮ってはいけない。
単なる緑色の饅頭だろうと思っていたが、ここまで海苔を自己主張されると食べる前からそれなりの覚悟を決めてしまう、そのくらい海苔海苔しているのだ。

海苔の匂いを嗅ぐと想像する味、というのが誰しもあるだろう。
さざめく海のほとりでそこはかとなく漂う磯の香り。
一般的にはそう、白いご飯が欲しくなるような塩味、というか潮味が近いかもしれない。

そんな海苔の味に、果たして饅頭の甘い餡子が合うのか。
人は記憶を総動員して、海苔と餡子を含む食べ物を思い出そうとする。
だが、もちろんそんな猟奇な食べ物がこの世にあろうはずもない。
そもそも、海苔の塩味と餡子の甘みはフィフティーフィフティーなんだろうか。
甘みが強くて海苔の味を打ち消してしまうならまだいい。
だが、その逆だったらどうする。
海苔の塩味が口いっぱいに広がる中に、ちょっぴり甘い餡子がほろり。
いらない!そんな甘さはむしろいらない!

だが、いくら考えても結局は食べてみないとわからないことに気付き、人は考えることを放棄する。
そこで開き直ると、今度は恐怖の反動で好奇心が湧き上がってくる。
むしろここまできたら、いっそマズい方がネタ的には面白いかも、と。

ところがうまいんだな、これが。

海苔は風味こそ強烈だが塩味はまったくなく、鼻で海苔を味わい、口で饅頭を味わうという表現が近いと思われる。
しかしながら、そのハーモニーは確かに独特で他に類を見ない。

さぞかしマニアも多かろうと思って調べてみたら、なぜか9件しか引っかからない。
築地ちとせとかいうメーカーの土産物で、東京にしか売っておらず、しかも店は新幹線の改札付近という好立地にありながら、どうも知名度の方は今ひとつらしい。
20個も入って1050円(税込)とリーズナブルだし、1個ずつきちんと包装されているので社内で配るにも都合がよく、食べる前から海苔の匂いで話題になれるなど、職場のお土産としては三拍子揃った逸品であるにもかかわらず、なんとももったいない話である。

東京へお越しの際は、ぜひ話の種に「江戸のり餅」をご堪能あれ。


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